togakusi3
togakusi2

戦斗空母「戸隠」戦歴

 
 元はといえばこの戸隠は建造されるはずのない軍艦だった。
本来ならば、この艦は翔I級参番艦「景I」として竣工するはずだった。
 原因は昭和十七年六月のミッドウェー海戦にて発生した「機動艦隊事件」がそれである。
 この戦いは機動艦隊同士の本格的な空母戦になるはずだったのだが、悪天候を衝いた敵米国戦艦艦隊の待ち伏せに遭い、「赤城」「加賀」「蒼龍」「飛龍」の四空母が捕捉され大破するといった失態を演じた。 
「赤城」「加賀」に搭載された五十口径二十サンチ砲をもって随伴の敵水雷戦隊は撃退できたものの射程外から砲撃してくる戦艦には太刀打ちできず、「大和」以下の味方戦艦部隊が駆けつけなければあわや「グローリアス」の二の舞となるところだった。
 「機動艦隊事件」は一大衝撃となり、四月に呉で謎の爆沈を遂げた「陸奥」と運命を共にした航空主兵論者の中心人物連合艦隊司令長官山本五十六海軍大将も爆死したこともあいまって航空主兵は急速に下火となり、第二次大鑑巨砲主義黄金時代のさきがけとなった。
 海軍軍令部はこの事件の「赤城」「加賀」の戦訓を重要視し、今後の大型艦は特にいかにして「巨砲をのせる」ことが課題となっていく。
 改装計画の壱番艦として「景I」の改装が七月に始まった。 ほぼ出来上がっている船体はそのままに艦首を延長。主砲はさきに爆沈した「陸奥」のものを流用する(爆沈したものの主砲は参基が無事だった)ことにして工期の短縮を図った。
 設計変更の末、竣工したのは昭和十八年六月になってしまった。満載排水量は翔I級の二万八千トンから三万七千トンに増加、機関は十六万馬力のままなので、最大速力も三十四ノットから三十二ノットに低下した。艦橋は壱号艦の試作艦橋を使用、クレーンも同様のものを使っており上部構造物はほぼ再利用品で占められている。
主兵装も「陸奥」より移植した四十五口径四十一サンチ砲連装三基六門五十五口径二十サンチ単装高角砲六門と門数自体は少ないが、「金剛」級と同等以上の砲撃力とそれを上回る速力は攻撃力に限ってはかなりのものだが、このため防御装甲は重巡なみのものでしかなく、実験艦ゆえの弱点ともいえるだろう。これが原因で航空戦艦の呼称を使うことができず、戦斗空母という珍艦種が誕生することになる。
 最大搭載機数も八十四機から三十一機に激減したが内訳は陸上機が二十五機水上機が六機さらに小型高速魚雷艇参隻を搭載している。このため「戸隠」は艦砲射撃から航空機離発着、小艇の母艦、通商破壊にも戦斗にも向いた多目的艦とも言える艦種で実験艦の意味合いが強く用兵側からはさして期待されていなかった。
 こうした紆余曲折をえた「戸隠」だがすでにトラック島は陥落、翌、昭和十九年のマリアナ沖でも航空戦のため主砲は火を噴くことはなかった。この戦いで「戸隠」は中破する。
内地に帰還しても修理は遅々として進まず、完全な失敗作の役立たずとも陰口をたたかれたものだが、太平洋戦争後の昭和二十年七月に修理完了した「戸隠」は八月に始まったソビエト軍侵攻にてその真価を発揮する。この時「超・大和」以下主要艦艇はことごとく太平洋戦争で傷つき修理のためドッグに入っており、唯一稼動可能な「出羽」も遥かシンガポールにあるため回航しても到底間に合わない。海軍力の低下を見計らっての見事な侵攻だった。
内地にて健在だった「戸隠」は、ただちに北方防衛戦に投入され、獅子奮迅の戦いを見せた。八月二十三日の「間宮海峡海戦」においては航空攻撃があったものの陸軍機と艦載機の援護のもと敵上陸支援艦隊を撃滅、上陸部隊もほぼ無力化するや敵軍港へ航空攻撃にて逆襲に転じた。一旦補給のため大湊に戻ったが数日で戦線に復帰した。短期決戦を狙っていた日本側は隣接する各主要港を攻撃。中でもペトロパブロフスク・ウラジオストック両軍港の艦砲射撃は特筆に価する。
 こうして辛くもソ連軍を押し戻したがその後講和がなったのは昭和二十二年二月となった。
この後長く現役でありつづけるが、この「戸隠」はなぜか単艦で行動することが多く、海軍の不思議数え歌の一つになっている。


戦斗空母 戸隠 要目

全長 264メートル 全幅 29メートル

基準排水量 31700トン 満載排水量 37800トン

出力 160000馬力  速力31.3ノット

45口径41サンチ砲連装三基六門 15サンチ単装高角砲六基

搭載機数 陸上機25機 水上機6機 高速魚雷艇3隻

まあ、見てなんとなくわかると思いますが、形状は某艦隊シリーズを参考にしています。随分前のシロモノなのでパーツも適当に流用でいかに適当に作ったかを思わせる船になりました。

陸上機と水上機を両方搭載している異色中の異色艦で水上機格納庫内にさらに高速魚雷艇が搭載されている。

艦載機の流星改の中に蒼い機体がありますが、数少ないスーパーエースで「蒼き流星」の異名で内外に知られている。
という設定です。

艦載機を載せてみました。
艦上機は戦闘機使用の彗星改9機
雷爆両用流星改14機
高速偵察用彩雲2機
水上偵察機5機です。
前線に出す戦斗空母のため
搭載機数は少なめです。

艦隊泊池へ

ベースはフジミの瑞鶴です。
主砲は長門級の物を使用、
艦橋は改造のさい余った大和級の物を用いました。

今回撮影のために引っ張り出したところ
細かい部品がボロボロになっていたためほとんどの艤装を取り払った結果、途中で放棄したような感じになってしまいました。
何ともいえない気分ですが、
敢えて晒してみる事にします。

飛行甲板を右側にずらしただけでは収まらないため長方形になるよう再調整をかけておきます。

togakusi4
inserted by FC2 system